214万枚以上。少年ジャンプ編集部が2026年7月9日に発表したのは、電子版「週刊少年ジャンプ」の定期購読者向けに用意された『ONE PIECEカードゲーム』の申込数です。
数字だけ見ると「214万人が応募した」と受け取りそうになりますが、発表されたのは26.8万セット以上、カード換算で214万枚以上。1人3セットまで申し込めるため、応募人数そのものは公表されていません。
もうひとつ、混同しやすい点があります。今回の話題には、電子版の定期購読者が申し込む8枚セットの応募者全員サービスと、紙版「週刊少年ジャンプ」33号に付いたルフィのカード1枚という、別々の配布方法が登場します。214万枚超という数字は前者、店頭の売り切れや転売騒動は主に後者の話です。
26.8万セット×8枚で214万枚超
少年ジャンプ編集部の公式Xによる7月9日の発表では、すでに26.8万セット、214万枚以上の申し込みがあったと案内されました。受け付け開始直後にはアクセスが集中し、7月8日にいったん受付を止めたものの、同日中に再開しています。
26.8万セット(214万枚)以上の応募を案内
26.8万セット × 1セット8枚 = 214万4,000枚
集英社ジャンプキャラクターズストアの商品説明によると、1セットは「週刊少年ジャンプ」2026年33号の付録と同じ通常版4枚と、箔押しホロ加工の豪華版4枚で構成されます。
- 通常版:4枚
- 豪華版:4枚
- 合計:8枚
26.8万セットに8枚を掛けると214万4,000枚です。編集部の「214万枚以上」という発表と計算が合います。
ただし、26.8万セットは応募した人の数ではありません。1セットだけ申し込んだ人と、上限の3セットを申し込んだ人の内訳が公開されていないためです。また、この数字は締切前の7月9日時点。最終申込数や最終生産数を示す数字でもありません。
「応募者全員サービス」でも無料ではない
対象は、少年ジャンプ+またはゼブラックで電子版「週刊少年ジャンプ」を定期購読している人です。応募者負担金は1セット1,210円で、国内発送費と手数料を含みます。定期購読の料金は別に必要です。
応募は1人1回限りで、1回の手続きで3セットまで。商品ページから普通に購入する仕組みではなく、少年ジャンプ+またはゼブラックのアプリ内にある定期購読者向けの応募画面から進みます。
ここでいう「応募者全員」は、抽選で当選者だけが買える企画ではないという意味です。無料配布ではなく、対象者、応募期間、負担金が設定されています。公式は、受注期間内に申し込めば届けると説明しています。
転売騒動の中心は紙版「ジャンプ」33号
紙版「週刊少年ジャンプ」2026年33号には、『ONE PIECE』連載29周年を記念した「モンキー・D・ルフィ P-159」が1枚付いていました。公式バックナンバーに記載された特別定価は340円です。
集英社は人気を見込み、通常より50万部多く発行したと説明していました。それでも発売後は書店やコンビニで売り切れが相次ぎ、カードではなく漫画を読みたい読者まで紙版を買えない状態になりました。33号は『アオのハコ』最終回の掲載号でもあり、「紙で残したかった」という需要と付録カード需要が同じ売り場でぶつかりました。
つまり、「214万枚も用意されたのに、なぜ売り切れたのか」という単純な話ではありません。214万枚超は電子版定期購読者向けの8枚セット。店頭で品薄になった紙版33号の付録カードとは、入口も数量の数え方も違います。
転売ヤーはどんな動きをしていたのか
オリコンニュースが取材した大学生1人の事例では、発売日前後に購入制限のないコンビニを調べ、車で回れるルートを組み、約1時間で25冊を購入したとされています。1店舗で5~7冊買えた店もあったとのことです。
この人物は、付録カード20枚を1枚800~1,000円でカードショップに売り、売却額は合計約1万8,000円だったと説明しています。そこから雑誌25冊分の購入費などを差し引くため、1万8,000円がそのまま利益ではありません。残ったカードが売れない在庫リスクや、買い取り先を回る時間もあります。
これは取材を受けた1人の行動であり、転売目的で購入した人すべてが同じ冊数、同じ価格で売ったとまでは言えません。ただ、発売前に購入制限を確認し、短時間で複数店舗を回り、雑誌からカードを切り離して買い取りへ持ち込む、という動きが実際にあったことは分かります。
「出品価格」と「売れた価格」は別
フリマアプリには雑誌の定価を超える出品が並びましたが、画面に表示された金額は、売り手が希望する出品価格の場合があります。出品されているだけでは、その価格で売買が成立した証拠にはなりません。
一方、オリコンの取材では1枚800~1,000円で20枚を店に売った具体例が報じられ、別の記事では都内の一部カードショップが約1,000円で買い取ったとされています。少なくとも発売直後の一部店舗では、340円の雑誌を買って付録だけを売っても差額が出る水準でした。
ただし、買い取り価格は固定ではありません。店舗、在庫、時間によって大きく変わります。実際、TSUTAYA姫路広峰店はXで、通常版1円、豪華版5円、未開封品は買い取り対象外と案内しました。
通常版1円、豪華版5円。未開封品は買取対象外と案内
約1,000円で買い取る店が報じられた一方、1円や5円と告知した店もある。この差を見ると、「ワンピースカードならどこでも高く売れる」と考えるのは危険です。大量供給や持ち込みの集中で、買い取り停止や急な値下がりが起きる可能性もあります。
Xで確認できた反応は?
Xでは、買えなかった読者の不満、付録なし版を求める声、転売対策への要望が投稿されました。オリコンは、紙版で『アオのハコ』最終回を残したかったのに買えなかったという趣旨の声や、付録なし版の受注販売を評価しつつ送料負担を気にする声を紹介しています。
ただし、数件の投稿だけで「X全体の総意」とは言えません。この記事では、出所を追える公式・店舗投稿を中心に確認しました。少年ジャンプ編集部の7月9日の投稿は申込数の大きさと締切前の応募を案内し、TSUTAYA姫路広峰店の投稿は買い取り価格が店舗ごとに大きく違う現実を示しています。
そして7月17日、少年ジャンプ編集部はXで読者へのお詫びと今後の対応を発表しました。
読者のみなさまへ
集英社は付録なし版と付録見合わせで対応
編集部は、紙版33号を付録カードなしの特別版として受注販売すると発表しました。カード目当てではなく本誌を読みたい、紙で保存したい読者へ購入機会を作る対応です。
あわせて、8月21日発売の「Vジャンプ」10月号で予定していた『ONE PIECEカードゲーム』の付録を中止。「週刊少年ジャンプ」「Vジャンプ」「最強ジャンプ」での同カードの綴じ込み付録は当面見合わせる方針も示しました。
編集部は、転売を目的とした過度な買い占めを控えるよう呼びかけています。今回の影響は33号だけで終わらず、別の雑誌で予定されていた付録や、今後の販売方法の検討にまで及びました。
応募締切は8月6日23時58分
電子版定期購読者向けの応募期間は、2026年7月6日13時から8月6日23時58分までです。23時59分ではありません。期間中に少年ジャンプ+またはゼブラックで定期購読を始めた人も対象になります。
届けられるのは2026年12月下旬の予定です。ただし、予定数を超えた場合は発送が遅れることがあり、応募量や配送地域によって最大2か月ほど到着時期に差が出る可能性も公式商品ページに記載されています。
また、カードは海外や別形態でも販売・配布予定で、応募期間終了後に再募集を行う可能性があります。二次流通で急いで買う前に、公式の追加案内を確認しておきたいところです。
今回のポイント
- 26.8万セットは応募人数ではなく、1人3セットまで申し込める商品のセット数
- 1セット8枚なので、26.8万セットは214万4,000枚に相当
- 214万枚超は電子版定期購読者向けサービスの数字
- 売り切れ・転売騒動の中心は、紙版33号に付いたルフィのカード
- 発売直後に1枚800~1,000円で売った取材例がある一方、1円・5円の買い取り告知もあり、価格差は大きい
- 集英社は付録なし版の受注販売と、ジャンプ系3誌でのカード付録の当面見合わせを発表
- 応募締切は2026年8月6日23時58分
確認した情報
- 集英社ジャンプキャラクターズストア「プレミアムカードコレクション29周年エディション」
- 少年ジャンプ公式『ONE PIECE』作品ページ
- 少年ジャンプ公式バックナンバー
- オリコンニュース「応募者全員サービスに応募殺到」
- オリコンニュース「付録カード転売の手口と目的」
- オリコンニュース「付録なし版発表」
- ファミ通.com「ワンピカード付録は当面中止へ」
情報は2026年8月6日(日本時間)に確認しました。買い取り価格やフリマ出品は変動します。記事中の価格は、確認できた発表・報道の時点における一部店舗または取材対象者の事例です。