「明日から秋です」と言われても、外へ出た瞬間に「いや、まだ夏だろう」と言いたくなる。
それでも、2026年の立秋は8月7日。しかも天文学的には、午後8時43分というかなり細かい時刻まで決まっている。立秋は天気予報ではなく、太陽の位置で決まる日だった。

2026年の立秋は8月7日20時43分
国立天文台の2026年暦要項によると、立秋は8月7日20時43分。この瞬間、太陽黄経が135度になる。
二十四節気は、地球から見た太陽の通り道を24等分した季節の目盛りだ。立秋は「涼しくなった日」ではなく、「太陽が決められた位置に来た瞬間」。そのため、全国の気温が何度でも日付は変わらない。
なお、二十四節気はその瞬間だけでなく、次の節気までの期間を指すこともある。2026年は8月23日11時19分に処暑を迎えるため、「立秋の時期」と言えば、立秋から処暑の前までを指す場合もある。
「まだ真夏」なのに秋になる理由
立秋は、夏至と秋分の中間に置かれた目印だ。太陽黄経で見ると、夏至が90度、立秋が135度、秋分が180度。名前は「秋」でも、季節の真ん中ではなく、秋の入り口にあたる。
国立天文台の解説にも、立秋は小暑・大暑の直後なので、暑い日が続くのは当然だとある。「立秋なのに暑い」は矛盾ではなかった。
もう一つは、場所による季節の進み方の違いだ。福岡管区気象台の解説では、二十四節気が生まれた古代中国の大陸部は、海に囲まれた日本より温まりやすく冷えやすいと説明している。日本は海洋の影響で気温のピークが遅れやすい。暦が間違っているというより、日本の暑さが太陽の目盛りより少し遅れてついてくる。
実は「秋」は3種類ある
話がややこしくなるのは、同じ「秋」という言葉で別の基準を呼んでいるからだ。
| 秋の種類 | 2026年の目安 | 何で決まる? |
|---|---|---|
| 暦の秋 | 8月7日の立秋から | 太陽の位置 |
| 気象の秋 | 9月から11月 | 気象庁の季節区分 |
| 体感の秋 | 決まっていない | 地域やその年の気温 |
気象庁の用語では、夏は6月から8月、秋は9月から11月。つまり8月7日は、暦では秋、気象では夏になる。どちらかが誤りなのではなく、見ているものが違う。
8月7日から「残暑見舞い」になる
この雑学が実生活に出てくるのが、暑中見舞いと残暑見舞いの切り替えだ。
日本郵便の案内では、暑中見舞いは小暑から立秋の前日まで、立秋以降は残暑見舞いとするのが通例。2026年なら、8月6日までに届く便りは暑中見舞い、8月7日からは残暑見舞いと考えると分かりやすい。
立秋の瞬間は20時43分だが、手紙のあいさつまで夜を待つ必要はない。実用上は日付単位で切り替える。残暑見舞いは8月末ごろまで、遅くとも「処暑の候」とされる9月7日ごろまでが目安だ。
立秋は「涼しくなりました」の宣言ではない
立秋は、気温を見て押す秋の開始ボタンではない。「太陽の位置は、夏至と秋分の中間まで来ました」という天体の通知に近い。
気温計はまだ夏のままでも、暦は8月7日20時43分にひと足先へ進む。そう思うと、日の傾きや夕方の風に、無理やりではない小さな秋を探したくなる。
見たもの
- 国立天文台「令和8年(2026)暦要項」
- 国立天文台「こよみ用語解説 二十四節気」
- 福岡管区気象台「いちばん暑い時期の8月7日頃に『立秋』が来るのはなぜ?」
- 気象庁「時に関する用語」
- 日本郵便「暑中・残暑見舞いのマナー」
2026年8月6日確認。記事内写真:Dmytro Bukhantsov/Unsplash、Unsplash License。表示時に横長へトリミングしています。