青ヶ島には川がない。それでも蛇口をひねれば、ちゃんと水道水が出る。
正体は雨だった。
山の上で集め、ためて、浄水してから各家庭へ送る。東京都の水道と聞いて想像する景色から、かなり離れている。
青ヶ島には川がありません。そのため、水道水には雨水を利用しています。
この投稿は8月3日の確認時点で2600件以上のいいねが付いていた。「雨水を使う島」は他にもあるが、それが東京都内の話というところで二度見する人が多かったようだ。
雨水を、島の貯金みたいにためる
青ヶ島村の広報にも、水道は天水、つまり雨水を使うとはっきり書かれている。貯水率が100%なら、島全体でおよそ100日使える量になるそうだ。
水道施設の計画を見ると、1000立方メートルの原水貯水槽が10池。数字が急に大きい。家庭の雨水タンクを想像していたら、まるで違った。
集めた雨はそのまま飲むわけではなく、緩速ろ過などの浄水処理を通る。雨どいの水をコップで受ける話とは規模が違う。島の地形と雨量を前提に組まれた、れっきとした水道設備だ。
取水場の写真は、かなり無口
アイキャッチに使ったのは、島にある向沢取水場の写真。観光写真のような派手さはなく、黒い門とコンクリートの設備が草の中に立っている。
「雨を集めて水道にする」と聞くと、もう少し未来的なものを勝手に想像していた。でも、実際はこういう無骨な場所が毎日の水を支えている。蛇口の向こうに川ではなく、この門があると思うと少し変な感じがする。
写真:ブルーノ・プラス/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。アイキャッチ表示時にトリミングしています。
晴れ続きの意味が少し変わる
住んでいない側からすると、晴天はだいたい良いニュースだ。ただ、使う水が雨から来る場所では、降らない日が続くことを手放しでは喜べない。
村は気象観測のページで降水量も公開している。旅行前なら気温を見るところだが、島では雨の数字がそのまま暮らしの数字でもある。
青ヶ島と聞くと二重カルデラや星空の写真ばかり見ていた。次に島の写真を見るときは、たぶん空の雲も気になる。
見たもの
2026年8月3日確認。